ライフステージと向き合いながら
武蔵野会10年目
福祉の仕事は、入りやすい
練馬福祉園で生活支援の仕事をしています。自分一人では食事がとれない入居者の方がほとんどなので、早番、遅番、夜勤とシフトを組み替えながら、利用者の暮らしそのものを支えるというのが業務です。早番だと、朝起きたあとの排泄の支援や朝食の介助、遅番になってくると昼食や夕食の介助、着替えなどの就寝支援も行います。夜勤は、就寝中の呼吸や排泄の確認をし、朝5時の起床も支援します。
商業高校に進学して、そのまま就職しようかなと思っていたんですけど、13歳も離れた妹と関わる中で、子どもに関わる仕事に就くのもいいなと思い専門学校に進みました。そこで福祉を知りました。障害のある方との関わりってこれまで全くなかったんですが、練馬福祉園にも実習で来るようになり、ぼんやりとですが、人と関わる仕事が自分に向いているのかなと思って、武蔵野会に就職しました。
練馬福祉園の実習は1、2週間だったんですけど、雰囲気がすごくよかったんですよ。窮屈な職場だったらどうしようと思っていましたが、相談しやすい先輩がたくさんいてとても安心できました。明確にこれがやりたいというのがなくても大丈夫です。福祉の資格を持っていなくても、入ってから勉強する機会がありますしね。自分にとっては、福祉の「入りやすさ」が魅力だったのかなと振り返っています。
適度な距離感を探る日々
練馬福祉園で働きはじめてから10年が経ちました。ようやく全体の流れがつかめるようになったかなと思いますし、適度な距離感を考えながら働いています。距離感ってとても大事です。目の前だけにいっぱいいっぱいになっていたら、スタッフ同士で互いの状況を理解しあうことができません。距離があることで、利用者の細やかな変化、スタッフの動きに目を配れるようになり、それが日々の支援にも活きてくるんですよ。
いろいろな人がいますし、失敗は誰にでもあることです。なので、その失敗をどうフォローしていけるかが大切だと思います。仲良くなりすぎたり、人間関係の距離が近くなりすぎると、冷静に注意しあえなくなってしまう面もありますよね。距離を保つ、余裕を持つ、そういう現場をつくっていけるように、これからもがんばりたいです。
現場が楽しいので、役職に就きたいという気持ちや別の施設に異動したいという気持ちはあまりありませんでした。子どもも小さいので、家族との時間を大切にしたいなと思っています。じつは妻も同じ職場で働いているんです。お互いの仕事や置かれている状況がわかるからこそ、うまいこと家事や役割を分担できている気がしますし、自分のライフステージに合わせて、これからも、仕事に向き合っていけたらと思っています。