社会福祉法人武蔵野会
武蔵野会の仲間さがし

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座談会

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語り合うことで、仲間になる

  • 赤崎 正和さん

    東堀切くすのき園 / リーダー / 12年目
  • 堀内 希沙乃さん

    八王子福祉作業所 / 社会福祉士 / 1年目
  • 聞き手:菅 春菜さん

    法人本部 / 仲間さがし担当 / 10年目

1年目の新人職員と、それよりひとまわりぶん、長く働いている12年目の職員。二人の考える「武蔵野会らしさ」が聴きたくて、仲間さがし担当の菅春菜が、二人のところに伺って話を聴きました。

よき先輩や利用者に囲まれて

堀内さん、まずは1年目、順調ですか?なにか困りごとはないですか?
堀内
ありがとうございます。私は福祉を授業では学んできたけど、実際に障害のある人にこれだけ日々向き合うっていうことは初めてで。最初は大丈夫かなって思うこともありましたが、日々健やかに仕事ができてます。
赤崎
堀内さんは昨年の「ふくしデザインゼミ」の取材以来ですよね。武蔵野会に就職してくれたのを知って、すごくうれしくなりました。
その「ふくしデザインゼミ」で赤崎さんを取材したのが堀内さんでしたよね。まさか本当に仲間になってくれて、新人職員として再会するなんて思ってもみなかったです。赤崎さんは新人のころはどんな職員だったんですか?
赤崎
どうしようもないやつでした。モチベーションは高かったけど、経験もないくせに日々の仕事を批判的に見て生意気なことも言ってました。それでも優しい先輩に見守ってもらったこと、それと、すごく魅力的な利用者さんが多くて、それが楽しく続けられた理由かもしれません。
私は、新人のときはすごく猫をかぶってたんです(笑)。慣れてきて、あれやりたい、これやりたいと徐々に本性を出していった感じですけど、今思うと、現場も知らないのに理想論ばっかり語ってたかもしれない。リーダーに指導してもらって、まずやるべきことを教えてもらって。それがなかったらダメでしたね。
堀内
私は、これがやりたいってまだ言えてません。どちらかというと置かれた場所でやるべきことやりますってタイプなので、お二人がうらやましいです。でも、最近チャレンジしてることもあるんです。お休みの日にご飯に行きたい人に声をかけて一緒にランチに行くこと。こちらから踏み出すのが苦手なので、そういうところからですね。

すべては理念からはじまる

堀内さんは、社会福祉士として就労移行支援にも関わっていますよね?法人内の人だけじゃなくて、受け入れ先の企業の方ともやりとりしなくちゃいけない。そこで意識してることってありますか?
堀内
そうですね。社会経験が浅い自分が考える「社会」に、利用者さんを当てはめてしまっていいのかな、ということはよく考えます。でも、そういうときに、武蔵野会の「隣人愛」という理念や考え方がよりどころになってくれる気がしますし、この「隣人愛」が社会のほうにひらかれていくと、みんなが働きやすくなるとも思っています。
赤崎
自分も、障害のある妹と育ってきて、ずっと、障害のある人は社会の中で分けられて暮らしていると感じてきました。福祉の世界とそうじゃない世界が混じり合う、それが普通になる社会になればいいなという思いは強いですね。
こういう話、やっぱり大事ですよね。自分の思いとか、モチベーションとか、逆に、これは今までやったことがないから不安だとか、わからないとか。ネガティブな気持ちも含めて思ったことを言ってくれたほうが安心するし、それに答えてくれる先輩が武蔵野会には多い気がします。私の現場は「仲間さがし」なので、学生たちにも、そういうことを語ってもらいたいです。
赤崎
そうですね。不安や心配事も何でも語り合える風土を武蔵野会の中でもっと育てていければ、新しくやってくる職員も心強いと思います。長く働き続けるうえで心配なこともあると思いますが、結婚とか子育てとかで一時的に休んだとしても、戻ってきやすいようになっているように感じますし、実際に制度も使える。育休とる男性職員、私以外にもいますから。
たぶん、施設長をはじめ、役職の皆さんもそうしてきてるから、おたがいさまって気持ちがみんなにあるんだと思います。まずは理念があって、制度がつくられて、それを職員が支えてる。そこは企業風土が大きいかな。職員に長く働いてもらいたいっていう気持ちがみんなにある。
赤崎
制度の話だけじゃありませんよね。みんな、それぞれに何かやりたいことがきっとあると思う。若い職員の皆さんが伸び伸びできるように、疑問とか、チャレンジしてみたいこととか、なんでも話してもらいたいなと思っています。
堀内
ひとついいですか?私は障害のある方に接したことがこれまでなかったので、ちょっとイライラしてしまうことがあって。どう捉えたらいいか悩んでて。最近考えるのは、自分はなにに対してイライラするんだろうって考えると、けっこうおもしろいっていうことです。自分はこれが当たり前だけど、目の前の人にとっての当たり前ってなんだろうって考えたり。利用者、職員、地域の皆さん、それぞれに当たり前を考えていけたらいいのかもしれません。
うん、それもとっても大事な話だよね。そういうことを言葉にしたり、一緒に考えていくことが、お互いの「心地よさ」を考える時間になっていくんじゃないかと、仲間さがし担当として改めて思いました。これからも、またおしゃべりさせてください。赤崎さん、堀内さん、今日はありがとうございました。